最高裁判所第三小法廷 昭和26年(ヤ)2号 判決 1953年10月27日
福岡県八幡市枝光川端町二丁目
再審原告
秋山瀧蔵
福岡市片土居町四一番地ノ四
再審被告
西日本無尽株式会社
右代表者代表取締役
東令三郎
昭和二五年(オ)第一一四号配当表変更請求事件について当裁判所が昭和二六年一月二六日言渡した判決に対し、再審原告から再審の訴の提起があつた。よつて当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件再審の訴を却下する。
訴訟費用は再審原告の負担とする。
理由
確定の終局判決に対する再審の訴は民訴四二〇条所定の事由を理由とする場合に限り許される、然るに本件再審の訴の理由とするところは、当裁判所が昭和二六年一月二六日言渡した判決は法律を無視した違法があるというのであつて、右の場合に当らない。
よつて民訴九五条八九条により、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)
昭和二六年(ヤ)第二号
再審申立人 秋山瀧蔵
被再審申立人 西日本無尽株式会社
右代表者代表取締役 東令三郎
再審申立人の再審理由
不服ノ理由
一 最高裁判所第二小法廷裁判長判事霜山精一、判事栗山茂ト判事藤田八郎ハ法律ヲ無キ者ト為シタルハ実ニ再審申立人ニ対スル不当ト信ス
二 元門司無尽株式会社ノ関係アル債権ハ適法ナル民法第四百六拾七条ノ規定ニ依リ内容証明郵便ヲ以テ譲渡通知ヲ受ケタルコトアリ以テ小野田彦助ガ西日本無尽会社ノ取締役ナリトシテ不動産ニ対スル抵当権実行競売申立ノ手続ヲ小倉区裁判所ニ為シタリ
併ニ元西日本無尽株式会社ノ設立ハ昭和十八年八月四日ニ為シタリ之ガ登記第商号二二四号ナリ
一 然ル所昭和十九年拾弐月壱日ニ解散シタリ以テ前ノ小野田〓助ノ取締役ノ分ノ商号第二二四号ノ分及ビ全権ハ消滅ナシタリ
一 解散後現在ノ西日本無尽株式会社登記第二四八号ノ商号ノ者ガ東令三郎ナリ
一 故ニ元小野田〓助ヨリ民法第四百六十七条ノ規定ニ依ル再審申立人ニ対シ債権譲渡ノ通知モ無シ依テ善意ノ第三者ニ対スル対効力ハ全ク無キモノナリ
然ル所第二小法廷ニ於テハ裁判モ開廷セズ有哉無哉ニ判決ヲ無シ居ルモノナリ
一 且又小野田〓助ハ競売手続ヲ為シタル件ニ付キ全ク解決ノ付カザル間ニ之ヲ他人ノ東令三郎ガ名儀ニテ配当表ヲ作制シ再審申立人ニ対シ元小倉区裁判所ヨリ通知ヲ致シタル事ハ之モ又違法ト信ズ
一 故ニ無関係ナル東令三郎ノ名儀ニテ訴訟ヲスル事モ之又違法ノ訴訟ナリトス
然ル所右小法廷ヨリノ右判事ハ主文理由書中ニ本件競売事件ノ申立人会社ハ既ニ競売ノ基本である債権を他ニ譲渡したること及び右申立人会社は当時既ニ解散したことを繰返したものと解されるカ、この点ニ関する原判決の判断ハ相当であつて、何等批議すべきところがないから、本論旨もまたこれを採ることはできない。とあるは之全ク出駄良目の判決を為しをるものニ付キ前ニ上告状並ニ理由書ヲ以テ請求なしたる如ク更ニ裁判開廷ノ上法律を適用なし正当なる裁判を求むる為メ再審申立書ヲ以テ奉御願候也
以上